コロナ禍2

文書作成日:2022/01/25



医療費控除における医療費とは、診療費・薬代・入院費などを差します。ここでは、判断に迷いよくお問合せいただく費用などをまとめました。

[相談]
私は、先日、新型コロナウイルス感染症のPCR検査を受けましたが、この検査費用は確定申告において医療費控除の対象となりますか。

[回答]
医師等の判断によりPCR検査を受けた場合には医療費控除の対象となります。
自己の判断で受けた場合には対象になりません。但し、結果が「陽性」で、引き続き治療を行った場合には、医療費控除の対象となります。

医療費控除の対象となる医療費は、
  1. 医師等による診療や治療のために支払った費用
  2. 治療や療養に必要な医薬品の購入費用
などとされています(所得税法73条2項、所得税法施行令207条1項)。

[相談]
私は、新型コロナウイルス感染症を予防するために、マスクを購入しましたが、この購入費用は、確定申告において医療費控除の対象となりますか。

[回答]
医療費控除の対象になりません。医療費控除の対象となる医療費は、
  1. 医師等による診療や治療のために支払った費用
  2. 治療や療養に必要な医薬品の購入費用
などとされています(所得税法73条2項、所得税法施行令207条1項)。
ご質問のマスクについては、病気の感染予防を目的に着用するものであり、その購入費用はこれら1、2のいずれの費用にも該当しないため、医療費控除の対象となりません。

[相談]
私が通院している医療機関では、新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、オンライン診療を導入しています。この仕組みを利用するためには、以下のとおり、オンライン診療料に係る費用のほか、システムの利用料の支払が必要となりますが、これらの支出は医療費控除の対象となりますか。
  1. オンライン診療料
  2. オンラインシステム利用料
  3. 処方された医薬品の購入費用
  4. 処方された医薬品の配送料

[回答]
1.~3.は医療費控除の対象になりますが、4.は医療費控除の対象になりません。

ご質問のオンライン診療に係る費用については、それぞれ次のとおりとなります。
1.オンライン診療料
オンライン診療料のうち、医師等による診療や治療のために支払った費用については、医療費控除の対象となります(所得税法73条2項、所得税法施行令207条1項)。

2.オンラインシステム利用料
医師等による診療や治療を受けるために支払ったオンラインシステム利用料については、オンライン診療に直接必要な費用に該当しますので、医療費控除の対象となります(所得税基本通達73-3参照)。

3.処方された医薬品の購入費用
処方された医薬品の購入費用が、治療や療養に必要な医薬品の購入費用に該当する場合は、医療費控除の対象となります(所得税法73条2項、所得税法施行令207条1項)。

4.処方された医薬品の配送料
医薬品の配送料については、治療又は療養に必要な医薬品の購入費用に該当しませんので、医療費控除の対象となりません。

[相談]
大部屋だと同室の人とのプライバシーが保たれず、また狭いので個室に移動しました。この個室利用料金は、医療費控除の対象となりますか?

[回答]
対象とはなりません。

ご質問にあるいわゆる差額ベッド料金のほか医療用器具等の購入代金については、医師等の診療等を受けるために直接必要なもので、かつ、通常必要なものに限り、医療費控除の対象とされます。
したがって、ご質問の場合は、自己の気分のみで個室に移動しただけであり、病状のためや病院の都合で個室を使用するわけではありませんので、医療費控除の対象とはなりません。
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